特定非営利活動法人青木繁「海の幸」会

青木繁「海の幸」が描かれた小谷家、南房総・布良を訪ねる旅


 

 11月11日に実施された、[青木繁「海の幸」が描かれた小谷家、南房総・布良を訪ねる旅]は、天候にも恵まれ、温暖な初冬の南房総と、「海の幸」を描いた当時の青木繁の息づかいを堪能することが出来ました。

 19名の青木繁ファンを乗せたバスは、8時半に東京駅を出発し、途中乗り込んだ地元保存会の方(天野さん)の説明を聞きながら、11時半には第一の訪問先である小谷家(おだにけ)に到着しました。



   


 小谷家では当主ご夫妻と娘さんに出迎えていただき、青木繁達が投宿した当時の様子などの説明をしていただきました。もちろん、当時のご家族は既に生存されないので、代々語り継がれた話として伺いました。


   




 小谷家見学の後は、青木繁没後50年に建てられた記念碑を訪れ、青木繁たちが泳いだであろう阿由戸の浜の荒い砂地の感触を楽しみました。


  


 お昼は、地元の漁協からの提供による新鮮な魚を使っての料理をいただきました。
 なめろう、イワシのつみれ入りみそ汁、さわらの焼き物など簡素ではあるが昔の漁師の日常食を味わいました。
 青木繁たちもきっとこういう食事をして過ごしたことでしょう。

 さらに、食後は地元保存会の方(鈴木さん)の余興で安房節や地元の祝い唄などをご披露して頂き、都会では味わえない人情味に溢れる心遣いを感じることが出来ました。

 午後は古代から伝わる安房神社に参詣し、この地方の歴史の古さを知り、青木繁が造詣深かったという古代神話に思いを馳せました。

   


 そのあと、バスの中から、大島や利島の浮かぶ海の景色を楽しみながら、最後に訪れたのは、青木繁と福田たねが再度房総を訪れた時に逗留し、板絵を描いたといわれる圓光寺でした。
 工事中に関わらず、ご住職がお出ましになり、青木繁との関わりや板絵の板はどこの板戸を使ったのかなどの説明を受けました。

   


 圓光寺を辞する頃にはすでに日は沈みかけ、館山湾越しに真っ赤な夕日が沈むのを眺めながら帰途に就きました。


 今回のバスツアーは中身の濃い旅でした。
 地元の協力だけでなく、一緒に乗り込んだ、青木繁大好き人間の当会の理事3名(女子美の吉武教授、武蔵美の久野元教授、吉岡事務局長)から道すがら青木繁研究の一端を披露して頂くなど、青木繁ファンにとっては得難い体験になりました。

 来年は青木繁没後100年になります。
 各地で記念催しが行われるものと思いますが、再度このバスツアーも開催したいと思います。
 今回参加出来なかった会員の方は是非参加して頂きたいと思います。

(KT) 


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